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地元民に愛され全国に広がる店舗

 国内だけでなく海外にも店舗を構える『うまい鮨勘』。仙台でこの名を知らぬ者はいないだろう。発祥は回転寿司「すしカントリー」で、お客様が親しみで「すしカン」と呼んでいたことから、この名が付いたという。敷居が高いと思われていた寿司屋だが、高品質のものをリーズナブルに提供することで、ご家族連れやサラリーマンなど多くの方に喜ばれ愛されるお店になったのである。

 今回は、一番町アーケードにある対面店舗の『うまい鮨勘 別館 鮨正』を訪れた。暖簾をくぐり木の階段を上がって店内へ入ると、清潔感に満ちた高級感漂う大人の空間が広がっている。白木のカウンターは長く美しく、木の質感や温かみを感じる落ち着いた雰囲気。ほどよい緊張感の中にも親しみやすさがある。木製のネタケースのなかには、新鮮で美味しそうな寿司ネタが綺麗に整然と並べられている。職人さんがリズム良く握っていくお寿司はもはや芸術である。

確かな目利きと熟練の職人技

 「おまかせ」は寿司10貫・巻物1本・小鉢2点・茶碗蒸し・お味噌汁がついて5,700円。あわび、ボタンえび、大トロなど高級ネタが6貫、小鉢は、切干し大根とワカメと玉ねぎの酢の物。その後、コハダや中トロ、ウニとカニの小鉢、筋子巻へと続いていく。贅沢なネタの数々に感嘆する。大トロはさすがの脂のりで、とろっとした舌ざわり。小ぶりのシャリとネタの一体感はお見事。ボタンえびの濃厚な甘さ、鼻に抜けるウニの香り。そして、筋子巻の塩味もちょうど良く、すべてが旨い。どれを取っても品質の良さと確かな目利きがうかがえる。甘み、旨み、香りを堪能しこの上ない満足感に浸る。

 そして、昼限定の「鮨正ランチ(2,100円)」は、寿司7貫・ばらちらし・小鉢・茶碗蒸し・お味噌汁にデザート・コーヒーまで付いてくるお得なセット。あいなめ、炙りタコ、中トロ、カツオの藁焼き、アジのバッテラ寿司などバラエティに富んだ7貫。つやつや輝くイクラがたっぷり乗ったばらちらしに目が惹き付けられる。貝ひもや玉子、白身魚など細かく刻まれた食材と酢を効かせたシャリとの相性が絶妙だ。プチプチ、シャキシャキなど食感も楽しい。味覚だけでなく視覚でも楽しめる。食後のデザートも女子には嬉しいおもてなし。最後の最後まで幸せな気持ちが続く。

未来の海を守るために

 傍楽(はたらく)とはそばにいる人をラクにすること、という考えをもとに、社会や地域が喜ぶことをするのが行動の基準となっていると語るのは上野社長。「本当に大切なものは何か?」「地域や後世に残せる価値とは何か?」を考える大きなきっかけとなったのはあの震災。様々な学びを通してたどり着いた一つの答えが「木を植える鮨屋」である。鮨屋なのになぜ植樹なのか?それは、食物連鎖の底辺であるプランクトンには森から流れてくる鉄分が必要であり、豊かな森が育てば豊かな海が育つのだという。つまり、森の恵みがやがては海の恵みになり、

 われわれの食を守ることにもつながるのだ。未来の海を守るため、われわれの未来のための素晴らしい活動である。また、沿岸沿いに植えられた木は自然の防潮堤にもなり得るのだという。人の役に立つという商いの原点を見事に実践し、社会と地域を喜ばせる企業なのだと深く心を動かされた。鮨勘のお寿司が美味しい理由が分かった気がする。これからもずっと、多くの人に笑顔としあわせをもたらすお寿司屋さんであることは間違いないであろう。

          ■SHOP DATA

【店名】  うまい鮨勘 別館  鮨正

【営業時間】月~日・祝日
                                ランチ     11:30~14:30
                                ディナー     17:00~22:00

【定休日】     不定休日あり

【TEL】              024-522-1841

【住所】          仙台市青葉区一番町4-3-29 2F

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