気仙沼の、みしおね横丁にある『鶴亀食堂』『鶴亀の湯』は、気仙沼と漁師さんを愛してやまない3人の女性が営んでいる。公衆浴場がある横丁は全国的にも珍しい。これには彼女たちの熱い想いが込められている。長年にわたって漁師さんの憩いの場であった銭湯「亀の湯」が震災の影響でやむなく閉鎖。それを受け、港町気仙沼として、漁師さんがほっと一息できる銭湯を港の近くに作りたいと『鶴亀の湯』『鶴亀食堂』として復活させたのである。
「いっらっしゃいませー!!」と明るく元気な声で迎えられる。オープンでウェルカムな雰囲気と、溢れんばかりの笑顔につられて、こちらまで笑顔になる。入口を入ってすぐの券売機で食券を買うシステム。食券機の右上のボードの日替わりメニューが目に飛び込んでくる。迷わずその3つをチョイスする。
ご飯とみそ汁はセルフサービス!おかわり自由なのは嬉しい限り。働いて帰ってきた漁師さんたちも大喜びしているに違いない。
23年間カツオ水揚げ第一位の気仙沼!
「63佐賀勝丸のカツオ刺身(今朝水揚げ)」は、水揚げされたばかりとあって新鮮そのもの。脂が乗ったカツオは鮮やかなピンク色でツヤツヤしている。脂のノリと濃厚な味わい、あまりの旨さに、息つく間もなく一気に完食。
カツオときゅうりの和え物も絶品で、程よい酸味がさらに食欲をかき立てる。「ごはんおかわりしてね~」とカウンターから声をかけてくれるので、ためらうことなくすぐさまおかわり!
お次は「唐桑産ナスを使ったマーボーなす」だ。ひき肉たっぷりでボリューム満点。今まさに旬の食材のナスはとても瑞々しく、とろりとした食感とピリ辛の味付けに恐ろしいほどご飯が進む。最後は、たれごとご飯にかけて一気にかき込む!
最後は「大人気!メカジキのカマ煮」の登場だ。圧倒的なその大きさに大興奮。甘辛いタレがとろっとからんだ身は、ふわふわでやわらかい。アツアツご飯との相性もバッチリで、どんぶり飯もペロリと平らげる旨さ。
日替わりメニュー3品、どれも愛情たっぷりで気仙沼の美味しいがギュッと詰まっており、まさにパワーチャージ飯であった。スタッフの明るい笑顔と楽しい笑い声、そして美味しい料理に癒されて、また海へと戻っていく漁師さん。『鶴亀食堂』『鶴亀の湯』は、彼らにとってなくてはならない存在になることはもはや間違いない。ずっとずっと、いつまでも、この場所が続くことを心から願ってやまない。