一関駅から徒歩10分、歴史を感じさせる立派な建物が『 蔵元レストラン せきのいち 』である。
大正7年に創業した造り酒屋の蔵で営業している郷土料理レストラン。
店内も広く趣のある落ち着いた雰囲気が、日本人だけでなく外国からの観光客にも大いに喜ばれそうである。
『 世嬉の一酒蔵 』で作られたビールは多くの大会で賞を獲得し世界的にも高い評価を受けているという。
また、一関の郷土料理、「もち料理」や「はっと料理」も美味しいと評判のお店だ。
「手延べはっと膳」は、すいとんと言ったほうが馴染み深い方もいるかもしれない。
練った小麦粉の生地を自分の手で薄く伸ばして、出汁の入った鍋に入れ、お野菜と一緒に煮ていただく、いわば体験型メニュー。薄く伸ばすのにはコツが必要で、素人がやると、どうしてもぼてっとした厚みが出てしまう。
とはいえ、何といっても自分でやるのが楽しく、それが最大の醍醐味。
ぐつぐつ煮込むほどに野菜の甘みが溶けだし、はっとにも出汁がしみ込み旨さが増す。
薄味の身体にやさしい素朴な味わい。なんだか田舎を思い出し、こころがほっこりする。
「桑うどんセット」は、うどんに桑の葉をねりこんだうどんと、天ぷらのセット。
桑の葉は高血圧等によいのだとか。
運ばれてきたうどんの色に驚く。なんと鮮やかでつややかな緑色!それを自分で摺ったゴマを加えたタレでいただく。つるんとした喉越しとコシのある噛み応えが美味しく、摺ったばかりのゴマの風味とあいまって最高に旨い。昆布の上に盛られているため、ほんのり昆布のうま味も感じる。
タレが徳利に入っており、タレをいれる器がおちょこという演出もまた素晴らしい。
天ぷらは、茄子とししとう、まいたけ、かぼちゃ、そして野菜のかき揚げ。
どれも熱々サクサクで、とくに茄子のジューシーさと、まいたけの香りの美味しさに大満足。
どこか懐かしさを感じられる料理の数々に、やさしい気持ちになれた気がした。
一関のハレの郷土料理「もち」は、食べたい欲求と満腹という現実との狭間で泣く泣く断念。次回必ずや食べよう!!そして、是非、地ビールとともに楽しみたい。