地下鉄北仙台駅から徒歩約10分。店内はさほど広くはないものの、雰囲気のあるカウンターと掘りごたつ席の大きなテーブルがとても印象的。店主との会話を楽しみたいなら断然カウンター、ということで、さっそく特等席に陣取り、冷たいビールで喉を潤す。程なくしてカウンターは満席になり、人気の高さがうかがえる。
お通しは「里芋と丸森のへそ大根の煮物」で、柔らかくしっかり味がしみた大根は、噛みしめるたびにほのかに優しい甘さを感じる。
名物は干物だそうで、宮城の干物を常時取り揃えているそう。なかでもイチオシは金華サバ。塩釜間宮塩蔵謹製熟成干物「金華サバ半身(ハーフ・490円)」は脂が乗っていて、旨みが凝縮されている。焼き加減も絶妙で、魚本来の美味しさを味わえる贅沢な逸品。食卓に焼き魚が並ぶことが少ない方にとっては最高のご馳走になるに違いない。そして、これには日本酒が欠かせない。魚をつまんでは日本酒を一口、日本酒を飲んでは魚を一口。あぁ、なんと幸せな時間だろう。一日の疲れがほどけていくような感覚だ。これは長い夜になりそうな予感。
さて、つづいては「ホルわさ(480円)」。ポン酢のようなさっぱりした味付けで、わさびを付けていただく。もやしと玉ねぎのシャキシャキ感とホルモンのくにゅっとした歯ごたえがたまらない。
「ほや卵(480円)」と「ほや刺し(480円)」は、ほや好きには欠かせない。肉厚のほやは甘くて、独特の風味が口いっぱいに広がる。これぞまさしく宮城の名物!
「会津産馬刺し(980円)」はキレイな赤色が印象的。これをにんにく味噌を溶いた醤油でいただく。臭みは一切なく、とろけるようなやわらかい舌ざわり。一度火が付いた食欲はおさまることを知らない。
欲求にしたがって次の料理を注文する。「つぶ貝と菜の花からし和え(380円)」はお浸しとはまた一味違う予想外のからし和え。ねっとり感がありお酒のつまみにちびちびイケる。
「新玉葱スライスサラダ(380円)」には細かい削り節と刻み海苔が散らしてあり、シャキシャキ玉葱とよく合う。
そして、ありそうで思い付かなかったのがこの料理、「明太子しらたき炒め(480円)」だ。ヘルシーで淡白なしらたきが、明太子のピリ辛でパンチのある料理に大変身。これまたお酒に合うから困ったものだ。
ちょっと一杯のつもりで寄っても、これだけ旨いが連発だと、一杯では逆にもったいない。BGMの懐かしいヒット曲に、当時の記憶をよみがえらせながら、ついつい長居をしてしまう。最後に、蔵王クリームチーズ(480円)もいただき大満足。明日の活力補給は、これにて完了!